こんにちは、なおじです。
「世界陸上20位の選手が、たった2か月で日本記録を塗り替える」——そんなドラマティックな逆転劇が、2025年11月22日に実現しました。
東京・八王子市上柚木公園陸上競技場で行われた八王子ロングディスタンスで、トヨタ自動車の鈴木芽吹(めぶき)選手が男子1万メートルで27分5秒92という驚異的な日本新記録を樹立したんです。
箱根駅伝で活躍した彼が、どのようにしてこの偉業を成し遂げたのか、元バスケ部顧問の視点から記録達成の背景を徹底解説します。

昨夜、ニュースで鈴木選手の快挙を見て興奮していたら、妻に「あなた、陸上じゃなくてバスケ部の顧問だったでしょ」とツッコまれました。
確かにそうなんですが、スポーツ指導の本質は競技を超えて共通するものがあると思うんです。
鈴木芽吹選手の日本新記録達成の全容
2025年11月22日、八王子ロングディスタンスの最終A組(ターゲットタイム27分10秒)で、鈴木芽吹選手が27分5秒92という驚異的なタイムを記録しました。
日本人トップの6位に入ったこの記録は、従来の日本記録を大きく更新するものでした。
従来の日本記録は、塩尻和也選手(富士通)が2023年12月に樹立した27分9秒80。
鈴木選手は約4秒も上回る力走を見せたのです。
レース後、鈴木選手は「しっかり妥協なく準備してきた。
準備してきたことを出し切れれば、いけるんじゃないかと思っていた」とすがすがしい表情で振り返りました。
記録達成の瞬間、24歳の若き長距離ランナーは、箱根駅伝で培った粘り強さと、実業団で磨いた世界レベルのスピードを融合させた走りを披露しました。
静岡県熱海市出身、佐久長聖高校から駒澤大学を経てトヨタ自動車へと進んだ彼のキャリアは、まさに「努力の結晶」と呼ぶにふさわしいものです。
9月の東京世界陸上では20位に終わり、「世界では通用しないと痛感した」という悔しさをバネに、この日本新記録につながったのです。
記録達成の背景と戦略分析

正直に言うと、なおじ自身の10000mのベストタイムは…聞かないでください(笑)。
でも、35年間バスケ部の選手たちを見てきた経験から、記録を伸ばす選手の共通点は見えてきます。
鈴木芽吹選手の日本新記録達成には、緻密な戦略と徹底した準備がありました。
元バスケ部顧問として30年間、選手育成に携わってきた私から見ても、この記録達成の背景には3つの重要な要素があります。
まず第一に、世界陸上での挫折を糧にした「意識の変化」です。
9月の東京世界陸上で29分33秒60の20位に終わった鈴木選手は、「世界では通用しない」と痛感し、トラック競技へのアプローチを根本から見直しました。
この「失敗から学ぶ姿勢」は、スポーツ指導において最も大切な要素の一つです。
第二に、八王子ロングディスタンスという最高の舞台設定です。
この大会は男子10000mに特化した競技会で、ターゲットタイムを設定したペースメーカーが選手を引っ張る形式を採用しています。
鈴木選手が出場した最終A組のターゲットタイムは27分10秒で、まさに日本記録を狙うには理想的な環境が整っていました。
【表題:八王子ロングディスタンスの特徴】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会の特徴 | 男子10000mに特化した記録会 |
| ペースメーカー | ターゲットタイム別に設定(鈴木選手のA組は27分10秒) |
| 開催時期 | 11月下旬(長距離走に適した気候条件) |
| 選手の狙い | 自己ベスト更新、日本記録挑戦 |
| 鈴木選手の結果 | 日本人トップ6位、27分5秒92の日本新記録 |
第三に、母校・佐久長聖高校での原点回帰です。
記録達成直前には母校を訪れ、高校時代の原点に立ち返ることで、メンタル面のリフレッシュとモチベーション向上を図ったと報じられています。
部活動指導の経験から言えば、選手が「初心」を思い出すことは、大きな挑戦前に極めて効果的な心理戦略です。
【表題:日本記録の推移比較】
| 記録保持者 | 記録 | 達成日 | 大会 | 更新幅 |
|---|---|---|---|---|
| 塩尻和也(富士通) | 27分9秒80 | 2023年12月 | 第107回日本選手権10000m | 旧記録から更新 |
| 鈴木芽吹(トヨタ自動車) | 27分5秒92 | 2025年11月22日 | 八王子ロングディスタンス | 3秒88更新 |
| (参考)世界記録 | 26分11秒00 | 2020年10月 | ジョシュア・チェプテゲイ(ウガンダ) | 日本記録との差:約55秒 |
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箱根駅伝から世界へ成長軌跡

鈴木芽吹選手の成長軌跡は、まさに日本の長距離界における「王道」を歩んできたと言えます。
2001年6月3日生まれの彼は、中学時代はソフトテニス部に所属しながらも、ジュニアオリンピック3000mで静岡県1位、全国都道府県対抗駅伝では4人抜きという才能を見せていました。
高校時代、佐久長聖高校で3年連続全国高校駅伝に出場し、1年次には6区で区間賞を獲得。
チームの全国優勝に貢献しました。駒澤大学に進学後は、大学三大駅伝で個人通算6度の優勝を経験し、この記録は歴代2位という驚異的な実績です。
特に注目すべきは、第99回箱根駅伝での4区の走り。
中央大・吉居駿恭、青学大・太田蒼生との三つ巴のデットヒートで、最後の最後まで粘り抜いて先頭を死守しました。
この粘り強さこそが、今回の日本新記録につながる精神的基盤となっていると感じます。
【表題:鈴木芽吹選手の成長タイムライン】
| 時期 | 出来事 | 成果・記録 |
|---|---|---|
| 中学時代 | ソフトテニス部所属も陸上で才能開花 | ジュニアオリンピック3000m静岡県1位 |
| 2017年(高1) | 佐久長聖高校入学、全国高校駅伝出場 | 6区区間賞、チーム全国優勝に貢献 |
| 2020年(大1) | 駒澤大学入学 | 大学三大駅伝で個人通算6度優勝(歴代2位) |
| 2023年1月(大3) | 第99回箱根駅伝4区 | 中央大・青学大との三つ巴デッドヒート、1秒差で先頭死守 |
| 2024年4月 | トヨタ自動車入社 | 実業団選手として新たなステージへ |
| 2025年4月 | 第109回日本選手権10000m | 初優勝 |
| 2025年9月 | 東京世界陸上10000m | 20位(29分33秒60)世界との差を痛感 |
| 2025年11月22日 | 八王子ロングディスタンス10000m | 27分5秒92の日本新記録達成 |
トヨタ自動車入社後、社会人2年目の2025年4月には第109回日本陸上競技選手権大会で初優勝を達成。
そして11月22日、ついに日本記録保持者という称号を手にしたのです。
この一連の成長過程は、「駅伝ランナーからトラックの世界的選手へ」という新たなキャリアパスを示しています。
私事ながら、息子がトヨタ勤務。
トヨタ所属の選手は、どうしても注目してしまいます。
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よくある質問(Q&A)

Q1:鈴木芽吹選手の日本新記録は世界レベルでどのくらいの位置?
27分5秒92という記録は、日本トップですが世界レベルではまだ差があります。
世界記録はウガンダのジョシュア・チェプテゲイ選手の26分11秒00(2020年)で、約55秒の差。
しかし、9月の世界陸上で20位だった鈴木選手が、わずか2か月でこの記録を出したことは、2026年以降の国際大会での活躍を大いに期待させるものです。
Q2:なぜ八王子ロングディスタンスで記録が出やすいのですか?
この大会は男子10000mに特化し、ターゲットタイムを設定したペースメーカーが理想的なレース展開を作る形式を採用しているからです。
また、11月下旬という気候条件も長距離走に適しており、多くの選手が自己ベストを更新する舞台として知られています。
鈴木選手が出場したA組のターゲットタイムは27分10秒で、まさに日本記録を狙うには最適な環境でした。
Q3:鈴木芽吹選手の今後の目標は?
レース後のインタビューで「まだまだトラックを極めていきたい」と語っており、トラック競技での更なる記録更新と、国際大会でのメダル獲得が目標と考えられます。
箱根駅伝で培った持久力と、実業団で磨いたスピードを融合させた走りは、2026年以降の世界大会で日本の長距離界を牽引する存在となるでしょう。
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筆者プロフィール
なおじ|元社会科教師(35年経験)、バスケットボール部顧問。
現在は政治、歴史、芸能、スポーツを中心にブログを運営。
穏やかな語り口と軽いユーモア(川柳)を交えた記事が特徴。茨城県在住。
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