那須川天心の敗北に学ぶスポーツ心理学｜元バスケ部顧問が教える初心者向けメンタル強化法

こんにちは、なおじです。

2025年11月24日、WBC世界バンタム級王座決定戦で那須川天心選手が井上拓真選手に判定負けしました。試合後、専門家から**「メンタル面での課題」**が指摘され、スポーツ心理学への注目が一気に高まっています。

実は今、技術や体力以上にメンタルが結果を左右するという認識が世界中で広がっているんです。

この記事では、元バスケットボール部顧問として35年間選手のメンタル指導に携わったなおじが、初心者でも実践できるスポーツ心理学の基礎とメンタル強化の方法を解説します。

那須川天心の敗北が示した「メンタルの壁」

2025年11月24日、トヨタアリーナ東京で行われたWBC世界バンタム級王座決定戦で、那須川天心選手（27歳）が井上拓真選手（29歳）に0-3の判定負けを喫しました。

試合後、内山高志氏をはじめとする専門家が「那須川のメンタル」を分析し、スポーツナビでは「メンタルは鍛えることができない、もって生まれた性質」という議論まで展開されました。

米メディアは「那須川は弱点を見せたわけではなく、ただ難しい挑戦で力が及ばなかっただけ」と同情的に報じました。しかし、試合中の公開ジャッジで心理的影響を受けた可能性が指摘されています。

元バスケ部顧問としてなおじも、多くの選手が大事な試合で同じような状況に陥るのを目の当たりにしてきました。

なおじの分析では、那須川選手が抱えていた課題は「プレッシャー下での集中力維持」という、スポーツ心理学で最も重要なテーマの一つです。

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スポーツ心理学とは何か？基礎知識を平易に解説

スポーツ心理学とは、運動やスポーツにおける心理的プロセスを科学的に研究する学問です。

2024年パリ五輪では日本選手団に心理サポート専門家が帯同し、2025年11月には医学専門誌『臨床スポーツ医学』が「アスリートのメンタル最前線」を特集するなど、その重要性が急速に認識されています。

スポーツ心理学は1890年代にアメリカで誕生した学問で、当初は「運動学習」の研究が中心でした。しかし1960年代以降、オリンピックでの勝敗を分ける要因として「メンタル面」が注目され、心理学的アプローチが急速に発展しました。

現在では、プロアスリートの約80%が何らかの形でスポーツ心理学の知見を取り入れていると言われています。

スポーツ心理学が扱う主なテーマは以下の通りです。

テーマ	内容	初心者への効果
集中力の維持	プレッシャー下での集中力を保つ技術	試合で実力を発揮できる
プレッシャーへの対処	緊張・不安をコントロールする方法	大事な場面で冷静になれる
モチベーション管理	やる気を維持・向上させる技術	練習を継続できる
チームワークの構築	仲間との信頼関係を築く方法	チーム全体の成績が向上
メンタルスキルのトレーニング	心理的な技術を体系的に習得	自信を持って競技に臨める

なおじがバスケ部顧問として35年間指導する中で、最も痛感したのが「技術だけでは勝てない」という現実です。地区大会で、技術的には圧倒していたチームが、プレッシャーに負けて敗退する場面を何度も目撃しました。

ある年の決勝戦では、普段なら8割決まるフリースローを、エースのA君が5本連続で外したことがあります。試合後、彼は「頭が真っ白になった」と泣いていました。

この経験から、メンタルトレーニングの重要性を痛感し、以降の指導に心理学的アプローチを取り入れるようになったんです。

実は2025年7月には、NTTプレシジョンメディシンが企業向けに「メンタルスキル向上研修」の提供を開始し、スポーツ心理学が一般のビジネスパーソンにも応用され始めています。

つまり、スポーツ心理学はアスリートだけでなく、誰にでも役立つ実践的な知識なんです。

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初心者でも実践できる5つのメンタル強化法

ここからは、なおじがバスケ部顧問時代に実際に選手に指導していた初心者でも今日から実践できる5つのメンタル強化法をご紹介します。

1. ルーティンの確立

試合前に決まった動作を行うことで、心を落ち着かせる方法です。イチロー選手のバッターボックスでの動作が有名ですよね。

なおじの教え子には、シュート前に深呼吸を3回することをルーティンにさせていました。単純ですが、心拍数を下げ、集中力を高める効果があります。

2. ポジティブセルフトーク

自分に対して肯定的な言葉をかける技術です。「俺は大谷翔平だ！」とつぶやくだけでメンタルが強くなるという研究もあります。

那須川選手も試合前に「負ける覚悟がある」と語りましたが、元顧問の視点では「俺はできる」という前向きな言葉の方が効果的だと考えます。

3. イメージトレーニング

成功場面を頭の中で繰り返し再生する方法です。なおじは選手に「目をつぶって、完璧なシュートが決まる瞬間を10回イメージしろ」と指導していました。

脳は実際の体験とイメージを区別できないため、自信につながります。

4. 呼吸法の活用

那須川選手も実践していた呼吸法は、自律神経を整える効果があります。4秒吸って、7秒止めて、8秒で吐く**「4-7-8呼吸法」**は、試合前の緊張緩和に最適です。

5. リラックス状態の再現

ゴルフの穴井詩選手を指導した石井コーチは、「一番リラックスできる『お風呂』の感覚で打て」と指示したそうです。これはメンタルアンカーと呼ばれる技法で、リラックス状態を再現する効果があります。

メンタル強化法	具体的方法	実践時間	効果が出るまで
1. ルーティンの確立	試合前に決まった動作を行う	1～2分	1週間程度
2. ポジティブセルフトーク	自分に肯定的な言葉をかける	30秒～1分	即効性あり
3. イメージトレーニング	成功場面を頭の中で再生	5～10分	2週間程度
4. 呼吸法の活用	4-7-8呼吸法で自律神経を整える	1～2分	即効性あり
5. リラックス状態の再現	メンタルアンカーを使う	30秒～1分	1週間程度

元顧問としての見解では、この5つの中で最も効果が早く現れたのは「呼吸法」でした。試合前に過呼吸になりかけた選手に、ベンチで4-7-8呼吸法を実践させたところ、わずか3分で心拍数が正常に戻り、試合に復帰できた事例があります。

「こんな簡単なことで変わるんですね」と選手本人も驚いていました。メンタルトレーニングは、特別な道具も場所も必要ありません。

今日から始められるんです。

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スポーツ心理学のよくある疑問Q&A

Q1：メンタルは鍛えることができないのでは？

A1：いいえ、メンタルは鍛えることができます。スポーツナビでは「もって生まれた性質」という議論もありましたが、多くのスポーツ心理学者は「メンタルスキルはトレーニングで向上する」と結論づけています。

実際、パリ五輪で心理サポート専門家が帯同したことで、選手のパフォーマンスが向上した事例も報告されています。元バスケ部顧問としても、選手のメンタルが指導で明らかに変化するのを何度も目撃しました。

Q2：スポーツ心理学を学ぶにはどうすればいいですか？

A2：初心者には、まず専門書を1冊読むことをおすすめします。2025年11月時点では、スポーツ心理学の入門書が多数出版されています。

また、NTTプレシジョンメディシンのような企業が提供する研修プログラムに参加するのも効果的です。なおじのブログでも、実践的なメンタルトレーニング法を今後紹介していく予定です。

Q3：那須川天心選手は今後どうすればいいですか？

A3：米メディアが評価したように、那須川選手は「明るい未来を感じさせるパフォーマンスを示した」のです。今後は、プレッシャー下での集中力維持と前進圧力への対応をメンタル面から強化することが鍵になります。

鈴木芽吹選手が世界陸上20位から2か月で日本新記録を達成したように、逆転劇は可能です。那須川選手も「絶対にあきらめない。すぐにでも復活したい」と再起を誓っています。

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筆者プロフィール

なおじ | 元社会科教師（35年）・元バスケットボール部顧問。選手のメンタル指導に長年携わり、試合での心理状態の変化を数多く目撃。現在は7つのブログを運営し、スポーツ・歴史・政治・ドラマを独自視点で解説中。趣味はキャンピングカー旅と川柳。