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日大三高野球部不祥事と二次被害の現実|元校長が被害者を守るための行動を考える

こんにちは、なおじです。

日大三高野球部 不祥事 二次被害]というキーワードで検索されることが増えています。

日大三高野球部のわいせつ動画拡散問題は、「事件そのもの」だけでなく、そのあとに起こりうる二次被害が非常に大きな課題になっています。

知人の女子生徒にわいせつな動画を送らせ、それが野球部内の部員たちに広く共有されていたと報じられ、学校は野球部の無期限活動休止を決めました。

なおじが一番気になっているのは、すでに傷ついている女子生徒やその家族が、これ以上どのような二次被害にさらされかねないのか、そして周囲の大人や同級生は何ができるのかという点です。

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目次

この記事でわかること

まずこの記事で、何を整理するのかを先にまとめておきます。

項目内容
日大三高野球部 不祥事 二次被害の全体像
SNS時代に起こりやすい拡散と二次被害の典型パターン
高校生の「悪ノリ」と犯罪・加害の境界線
学校・保護者・同級生が避けるべき言動と支援のポイント
部活動の場で実践できるSNSリテラシー教育の具体策

日大三高野球部 不祥事と二次被害の全体像

日大三高野球部不祥事の概要

報道によると、日大三高の硬式野球部に所属する男子部員二人は、知人の女子生徒に対してSNSを通じ、わいせつな動画や画像を送信させていました。

さらに、その動画の一部は部内の他の部員たちに送られ、結果として野球部員二十数人が閲覧・所持していたとされています。

女子生徒の保護者が警察に相談したことで事案が表面化し、二人の部員は児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検され、学校は野球部の無期限活動休止を決定しました。

事件としてはすでに「発覚後」の段階に入っていますが、被害に遭った女子生徒にとっては、ここから先のほうが長く苦しい時間になる可能性があります。

一次被害と二次被害の違い

ここでまず押さえておきたいのが、「一次被害」と「二次被害」を分けて考えるという発想です。

一次被害とは、女子生徒がわいせつな動画や画像を撮影・送信させられたこと、そしてそれが本人の知らないところで部員たちに共有されていたこと自体を指します。

二次被害とは、その後に起こる「噂話」「個人特定」「誹謗中傷」「責任転嫁」など、周囲の言動や情報の扱いによって新たに生じる被害を意味します。

「どの子か大体わかる」といった話がSNS上で書き込まれたり、制服姿の写真と結びつける形で根拠のない特定が進んだりすれば、本人や家族は学校生活だけでなく、地域での日常生活そのものが脅かされてしまいます。

「自分から送ったんだから仕方ない」「どっちもどっちだ」といった言葉は、一見すると中立のようで、実際には被害者に責任を押しつける二次加害になってしまいます。

👉関連記事:日大三高野球部問題の全容|書類送検から活動休止まで

SNS時代の画像・動画拡散と二次被害パターン

部活動グループから広がる典型ルート

高校生の生活を見ていると、部活動やクラス単位のグループチャットが、連絡や雑談の場として当たり前のように存在しています。

今回の事案でも問題の動画は、こうした部内のグループや個人チャットを通じて共有され、次々と転送される形で拡散していったとみられています。

誰かが動画を受け取り、別の友人に転送し、その友人が別のグループに投げるという連鎖が重なるうちに、「どこまで広がっているのか、本人にも把握できない状態」になってしまうのです。

「部内だけのノリ」のつもりでも、現実にはスマホ一台から、学校外・地域外にまで情報があっという間に流れていきます。

よくある二次被害の具体例

二次被害としてよく見られるのは、次のようなケースです。

動画や画像そのものが「晒し」の対象となり、面白半分で扱われること。

被害に遭った生徒の実名や顔写真が、「この子ではないか」という形で貼られること。

匿名アカウントによる誹謗中傷や揶揄が繰り返され、事件から時間が経っても「ネタ」として掘り返され続けること。

一度ネット上に置かれたデータは、「消したつもり」でも誰かが保存していることが少なくありません。

削除を依頼できたとしても、すでに別サービスに転載されてしまっていれば完全に消すのは非常に難しくなります。

「絶対消すから」「ここだけの話だから」という言葉は、被害に遭う側を安心させるために使われがちですが、現実にはほとんど保証にならないというのがSNS時代の怖さです。

高校生の「悪ノリ」が犯罪と二次被害になる境界線

児童ポルノ禁止法が問題にするポイント

児童買春・児童ポルノ禁止法では、18歳未満の子どものわいせつな画像や動画を「製造する」「提供する」「所持する」行為そのものが処罰の対象になり得ると定められています。

ポイントは、「合意があったかどうか」「恋人同士かどうか」といった事情に関係なく、結果として児童のわいせつな画像・動画が作られ、他者に渡っていることが問題にされるという点です。

未成年同士のやりとりであっても、「罰ゲームだから」「付き合っているから」といった理由で安心していいわけではありません。

高校生からすると、「友達だから大丈夫」「このグループの中だけだから問題ない」と思い込みがちです。

しかし、スマホの紛失や盗み見、喧嘩別れ、アカウント乗っ取りなど、本人たちの予想を超えた出来事をきっかけに、画像や動画が一気に外部へ流出する事例は後を絶ちません。

合意や「罰ゲーム」では済まない理由

そこから先は、当事者の意図とは無関係に、一気に刑事事件と深刻な二次被害の領域へと転がり落ちてしまいます。

「未成年のわいせつ画像は持っているだけで犯罪になる可能性がある」という最低限のラインは、生徒にも保護者にもきちんと伝えておく必要があると感じています。

なおじ自身、生徒にこうした話をするときに、どこまで具体的な例や法律用語を出すか、何度も悩みました。

「人生が終わるぞ」と脅すだけでは、すでに被害に遭っている子どもたちが相談しづらくなり、かえって孤立を深めてしまう危険があります。

一方で、危険性をぼかし過ぎれば、「友だち同士なら大丈夫」という誤った安心感を与えてしまいます。

👉関連記事:部活動のパワハラ・いじめ|どう防ぐべきか元教師が語る

学校・保護者・同級生がやってはいけないこと・やるべきこと

絶対に避けるべき言動と情報拡散

まず、絶対に避けなければならないのは、被害児童生徒の特定につながる情報を広めることです。

「〇年〇組の子らしい」「前から噂のあった子だ」など、断片的な情報でも積み重なれば特定につながり、本人や家族の生活を長期にわたって脅かします。

また、「自分から送ったんだから仕方ない」「どっちもどっちだ」といった言葉は、一見すると中立のようで、実際には被害者に責任を押しつける二次加害になってしまいます。

保護者や地域の大人も、SNSや掲示板で根拠のない情報や憶測を書き込まないことが大前提です。

とくに「親のしつけが悪い」「そういう家で育ったに違いない」といった決めつけは、被害者側の家族をさらに追い詰める言葉になってしまいます。

被害者を守るためにできる具体的支援

一方で、「やるべきこと」は、被害者や家族の希望を尊重しながら、支援の輪をつくることです。

学校には、教育委員会や警察、児童相談所、民間の支援団体などと連携し、心理的ケアや学習・進路面での配慮を行う責任があります。

SNS上の誹謗中傷が続く場合には、投稿を証拠として保存し、サービス運営への削除要請や法的手段の検討も視野に入れながら、「被害者が一人で戦わなくていい」状態を整えることが大切です。

同級生の側も、噂話に加わらない、冗談半分の書き込みを止める、「本人の気持ちをまず聞こう」と提案するなど、一人一人の行動が二次被害を減らす力になります。

なおじが校長をしていたときも、「これ以上言うのはやめようよ」とクラスの空気を変えてくれた生徒がいて、救われたケースが何度もありました。

👉関連記事:部活動の教育的意義と歴史|明治の校友会から令和の改革まで

部活×SNSリテラシー教育でできる対策(Q&A)

部活動でのSNSルールづくり

Q1:部活単位でSNS指導をするなら、何から始めるべきでしょうか。

出発点は、「部の連絡に使う公式ツール」と「個人アカウントでのやりとり」を分けて考え、最低限のルールを文書で示すことです。

たとえば、「わいせつな画像・動画の送受信は禁止」「部員・顧問・対戦相手の悪口を書かない」「不適切な投稿を見つけたらスクリーンショットを撮って顧問に相談する」など、具体的な行動レベルで決めておくと、生徒も判断しやすくなります。

Q2:保護者として、子どもに何を伝えておけばよいでしょうか。

「友達だから大丈夫」「すぐ消すから大丈夫」という言葉は、現実にはほとんど保証にならないことを、落ち着いて伝える必要があります。

一度送った画像や動画は、自分が知らないところで保存・転送される可能性が高く、未成年のわいせつ画像については持っているだけで犯罪となり得る場合があることも、最低限共有しておきたいポイントです。

そのうえで、「もし困ったことがあっても、一人で抱え込まず、なおじたち大人に相談していいんだよ」というメッセージを添えておくことが、早期の相談につながります。

家庭と学校の連携で防げること

Q3:学校として、どんな再発防止策が考えられるでしょうか。

生徒指導、情報モラル教育、部活動指導をバラバラにせず、「SNSトラブルはいじめ・ハラスメント・犯罪につながることがある」という共通の枠組みで扱うことが大切です。

全校集会や学年集会での講話だけでなく、具体的な事例を題材に、「あなたならこのときどうするか」を生徒自身に考えさせる授業を取り入れると、他人事ではなく「自分ごと」として捉えやすくなります。

Q4:もし自分の子や自校で似た問題が起きたら、どこに相談すればいいでしょうか。

学校の中では、担任、部活動顧問、生徒指導主事、養護教諭、スクールカウンセラーなど、複数の相談窓口が用意されているのが望ましい形です。

保護者が直接、警察や外部の専門窓口に相談することも選択肢の一つですが、その際にも学校と情報を共有し、被害者・加害者双方の安全と「学びの場」をどう確保するかを一緒に考えていく必要があります。

どこに相談してよいか迷ったときは、まずは信頼できる教員一人に話し、そこから必要な機関につないでもらうイメージを持っておくと安心です。

筆者紹介|なおじ

なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。

学校現場では生徒指導や情報モラル教育にも関わり、SNSトラブルやいじめの対応に何度も向き合ってきました。

現在は8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を書いています。

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