
甲子園の土を踏むのは、全国49地区を勝ち抜いた代表校たち。
そこから熾烈なトーナメントを経て、ついにベスト8が出そろいました。
本記事ではまず全国49校のリストを提示し、その後にベスト8校の詳細解説、準々決勝のプレビュー、そして観戦のコツまでを網羅した完全版ガイドをお届けします。
1. 代表49校一覧
以下の49校が全国を勝ち抜いて甲子園出場を決めました。
地方/都道府県 | 代表校 | 出場回数 |
---|---|---|
北海道(北) | 旭川志峯 | 3年ぶり11回目 |
北海道(南) | 北海 | 2年ぶり41回目 |
青森 | 弘前学院聖愛 | 4年ぶり3回目 |
岩手 | 花巻東 | 3年連続13回目 |
秋田 | 金足農 | 2年連続8回目 |
山形 | 日大山形 | 2年ぶり20回目 |
宮城 | 仙台育英 | 2年ぶり31回目 |
福島 | 聖光学院 | 4年連続20回目 |
茨城 | 明秀日立 | 3年ぶり2回目 |
栃木 | 青藍泰斗 | 35年ぶり2回目 |
群馬 | 健大高崎 | 2年連続5回目 |
埼玉 | 叡明 | 初出場 |
千葉 | 市船橋 | 3年ぶり7回目 |
東京(東) | 関東第一 | 2年連続10回目 |
東京(西) | 日大三 | 2年ぶり20回目 |
神奈川 | 横浜 | 3年ぶり21回目 |
山梨 | 山梨学院 | 3年ぶり11回目 |
新潟 | 中越 | 7年ぶり12回目 |
富山 | 未来富山 | 初出場 |
石川 | 小松大谷 | 2年連続4回目 |
福井 | 敦賀気比 | 3年ぶり12回目 |
長野 | 松商学園 | 4年ぶり38回目 |
静岡 | 聖隷クリストファー | 初出場 |
愛知 | 豊橋中央 | 初出場 |
岐阜 | 県岐阜商 | 3年ぶり31回目 |
三重 | 津田学園 | 6年ぶり3回目 |
滋賀 | 綾羽 | 初出場 |
京都 | 京都国際 | 2年連続4回目 |
奈良 | 天理 | 3年ぶり30回目 |
和歌山 | 智辯和歌山 | 2年連続28回目 |
大阪 | 東大阪大柏原 | 14年ぶり2回目 |
兵庫 | 東洋大姫路 | 14年ぶり13回目 |
鳥取 | 鳥取城北 | 2年連続7回目 |
島根 | 開星 | 8年ぶり11回目 |
岡山 | 岡山学芸館 | 2年連続4回目 |
広島 | 広陵 | 3年連続26回目 |
山口 | 高川学園 | 4年ぶり3回目 |
香川 | 尽誠学園 | 9年ぶり12回目 |
愛媛 | 済美 | 7年ぶり7回目 |
徳島 | 鳴門 | 3年ぶり15回目 |
高知 | 高知中央 | 2年ぶり2回目 |
福岡 | 西日本短大付 | 2年連続8回目 |
佐賀 | 佐賀北 | 6年ぶり6回目 |
長崎 | 創成館 | 3年連続5回目 |
熊本 | 東海大熊本星翔 | 2年ぶり4回目 |
大分 | 明豊 | 5年連続11回目 |
宮崎 | 宮崎商 | 2年連続7回目 |
鹿児島 | 神村学園 | 3年連続8回目 |
沖縄 | 沖縄尚学 | 2年ぶり11回目 |
2. ベスト8校の現在地と強み
京都国際(京都)
昨夏全国制覇の記憶を胸に、連覇を狙っている注目の強豪校。
2025年もエース西村一毅(左腕・最速146km/h)が安定したピッチングでチームをけん引。
抜群の制球とチェンジアップを武器にピンチでも冷静に打者を打ち取る大黒柱だ。
主将・倉橋翔がリーダーシップを発揮し、守備や走塁面でもチームを引き締める。
内外野ともに全国各地から集まった実力者が揃い、4番清水詩太や長谷川颯ら打線も粘り強く好機を確実にモノにする得点パターンを確立。
小牧監督の細やかな采配と厚い選手層――“冷静と情熱”を兼ね備えた戦いぶりで、今年も優勝候補の大本命として注目されている。
山梨学院(山梨)
春夏連続出場の勢いを持つ山梨学院は、菰田陽生(2年・最速152km/h)と檜垣瑠輝斗(技巧派左腕)の2年生二枚看板による継投が最大の持ち味。
機動力野球も得意で、打線は平野天斗(5番・3年)の満塁弾や6番萬場翔太の高打率(.600)など攻撃力も充実。
守備も控え投手の層が厚く、吉田洸二監督の巧みな采配で相手を翻弄。
主将梅村団(3年)が打撃・守備・精神面でチームを束ね、ベンチワークからも勢いが感じられる。
初の8強ながら、持ち前の柔軟な選手起用と粘りの野球で大舞台でも臆さない、今大会の台風の目。
関東第一(東京)
関東第一(東京)は、伝統の機動力野球と選手層の厚さが光る強豪です。
今夏の1番バッターは大沢歩夢(おおさわ・あゆむ)外野手が中心で、2番には右の切り込み隊長・入山正也が入りました。
いずれも俊足巧打で高い出塁率を誇り、得点機を量産。
主将で3番の坂本慎太郎は投打の中心を担う左腕投手で、打撃でもクリーンナップの核。
準々決勝進出を決めた試合でもソロ本塁打など存在感を発揮しました。
投手陣はエース左腕・坂本がタフなリリーフもこなし、先発石田暖瀬や捕手中浜一葵とのバッテリーで守り勝つ力もあります。
堅守・小技・長打力を兼ね備え、「全員野球」の真価を甲子園の檜舞台でも存分に発揮しています。
日大三(東京)
西東京代表の名門・日大三。
伝統の「強打」は今大会も健在で、高川学園戦では15安打9得点を叩き出しました。
初回に先制されても即座に5点を奪い返すなど、試合序盤から畳み掛ける攻撃力が光ります。
チームを牽引するのはエース右腕の近藤優樹投手。
3回戦でも粘りのピッチングで完投勝利を挙げました。
主将の本間律輝選手を中心に、リードオフマン松永選手の俊足を生かした攻撃や、勝負どころでの一打など、多彩な攻めを見せます。
名門の伝統を受け継ぎつつ、データを駆使した現代野球で優勝戦線に名乗りを上げています。
県岐阜商(岐阜)
東海地区で唯一勝ち残っている公立の雄、県岐阜商。
3年ぶり31回目の甲子園出場です。
今大会は伝統の堅守に加え、打撃も好調で、ここまで3試合で計13得点を挙げています。
チームの主砲は4番に座る坂口路歩(さかぐち ろあ)選手。
2回戦の東海大熊本星翔戦では、貴重な追加点となるタイムリーヒットを放つなど、勝負強さが光ります。
打線を牽引するのは、主に1番を打つ渡邉璃海(わたなべ りう)選手。
そして、生まれつき左手の指にハンディキャップを持つ横山温大(よこやま はると)選手も、甲子園で2安打を放つなど攻守にわたってチームに貢献しています。
チームをまとめるのは、主将の河崎広貴(かわさき ひろき)選手。
投手陣は、エースの柴田(しばた)投手を中心に、豊吉投手、渡辺投手とつなぐ継投で接戦をものにしてきました。
藤井潤作監督の指導のもと、古豪らしい堅実な野球に攻撃力が加わり、16年ぶりのベスト8進出を果たしています。
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