前半30分にセンデハスの先制弾を浴び、0-1で折り返した日本代表。しかし、この劣勢は逆転への布石となる可能性を秘めている。

メキシコ戦からの大幅戦術変更が奏功への鍵
森保一監督が断行した11人全員入れ替えは、単なる選手起用の変更にとどまらない戦術的意図を含んでいる。
メキシコ戦では久保建英、三笘薫らのテクニカルな選手を軸にしたポゼッション重視の戦い方だったが、アメリカ戦ではよりダイレクトな攻撃を志向する布陣に変更した。
3-4-2-1システムは継続しながらも、ウイングバックに前田大然と望月ヘンリー海輝を配置し、サイド攻撃の活性化を図っている。
特に望月の攻撃参加は、アメリカ守備陣にとって新たな脅威となるはずだ。
アメリカ守備陣の弱点を突く逆転シナリオ
韓国戦で0-2敗戦を喫したアメリカは、センターバックのラインコントロールに明確な課題を抱えている。
特に、A代表デビューのトリスタン・ブラックモンが「簡単に背後を突かれた」状況は、日本の高速カウンターにとって大きなチャンスとなる。
ポチェッティーノ監督就任後17試合でセンターバックのコンビが9組目という不安定さは、日本の攻撃陣にとって付け入る隙を提供している。
最前線の小川航基、シャドーの鈴木唯人と伊東純也が、この守備の綻びを突くことができれば流れは大きく変わるだろう。
パリ五輪世代の爆発力に期待
今回の布陣で注目すべきは、パリ五輪世代の大胆起用である。
藤田譲瑠チマ、佐野海舟のボランチコンビは、メキシコ戦とは異なる縦への推進力を持っている。
特に佐野は「インサイドハーフは一番やりたいポジション」と公言しており、持ち前の攻撃センスを発揮する絶好の機会だ。
鈴木唯人は「どこで武器を発揮するかが大事。ゴール前のところでそれができれば」とコメントしており、決定的な場面での勝負強さを見せる構えだ。
2026年ワールドカップ開催地での貴重な教訓
この0-1の劣勢は、来年のワールドカップ本番を想定した貴重なシミュレーションでもある。
中2日の移動、時差、アウェイの雰囲気など、本番で直面するであろう困難な条件下での戦いは、若手選手たちにとって何物にも代えがたい経験となる。
森保監督は「将来を見据えてより多くの選手が世界基準の中でレベルアップしていくことが、チーム全体の底上げになる」と明言している。
この逆境こそが、日本代表の新たな可能性を開く契機となるかもしれない。
後半開始とともに、森保ジャパンの真価が問われる45分間が始まる。
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