こんにちは、なおじです。
天皇杯バスケ2026は、帰化選手の戦術活用が優勝への鍵を握る大会となりました。
第101回大会では、帰化選手と外国籍選手を同時起用できるルールが、チーム戦術に大きな影響を与えています。アルバルク東京の14大会ぶり優勝も、この戦術的優位性を最大限に活かした結果だと言えるでしょう。
元バスケ部顧問として15年間指導した立場から、帰化選手がもたらす戦術的価値を分析していきます。

この記事でわかること
- 第101回天皇杯の大会形式と帰化選手起用ルール
- 帰化選手と外国籍選手併用がもたらす戦術的優位性
- アレックス・カークら帰化選手の具体的な戦術的価値
- トーナメント戦における采配力と選手成長の関係
- 集中開催形式が求める体力配分とチーム戦術
天皇杯バスケ2026の大会概要と帰化選手制度

第101回大会の開催形式と出場チーム構成
第101回天皇杯バスケは2026年1月6日から12日まで開催されました。
会場は国立代々木競技場第一・第二体育館です。1週間の集中開催形式で24チームが戦いました。
出場チームの内訳を見てみましょう。B1枠8チーム、B2枠4チーム、B3枠1チームです。
さらにブロック代表9チーム、社会人1チーム、大学1チームが加わります。プロと大学生、社会人が同じコートで戦う——これが天皇杯の特徴です。
今大会の最大の特徴は集中開催形式への復帰でした。近年は日程が分散していましたが、今回から変更されたのです。
1週間連続でトーナメント戦を戦う形式では、体力配分が勝敗を分けます。レギュラーシーズンのように中1日空ける余裕はありません。
控え選手の起用、ファウルトラブルへの対応——こうした采配力が問われる大会となりました。
帰化選手と外国籍選手の起用ルール
天皇杯バスケでは外国籍選手も帰化選手もコート上1名までです。
ただし、両者を同時に起用することが可能となっています。ここが戦術分析のポイントですね。
【表:天皇杯バスケ2026 帰化選手・外国籍選手ルールの戦術的影響】
| 項目 | 外国籍選手 | 帰化選手 | 併用時の戦術 |
|---|---|---|---|
| 登録枠 | 2名まで | 別枠 | 選手層が厚くなる |
| コート上 | 1名まで | 1名まで | 両者とも制限あり |
| 同時プレー | 可能 | 外国籍1名+帰化1名 | インサイド+アウトサイドの布陣 |
| 戦術例 | アウトサイド中心 | カーク(211cm) | インサイド制圧+外角シュート |
(出典:日本バスケットボール協会 第101回天皇杯要項 2026年1月)
帰化選手がインサイドで高さを活かします。外国籍選手がアウトサイドでスピードを活かす——役割分担が明確なチームが戦術的優位性を持つわけです。
帰化選手併用戦術がもたらす戦術的優位性
インサイド・アウトサイドの役割分担
帰化選手を持つチームは、帰化選手1名+外国籍選手1名という布陣が組めます。
帰化選手を持たないチームは日本人選手のみで戦います。外国籍選手1名と組む形です。
数的優位性が終盤の競った展開で差を生むのです。元バスケ部顧問として中学生を指導した際、痛感したことがあります。
「控えのビッグマンの役割」の重要性でした。主力が疲れた時、ファウルトラブルの時、控えがどう機能するか——帰化選手を持つチームはこの課題をクリアしやすい構造にあります。
インサイドに高さのある帰化選手を配置すれば、ゴール下を支配できます。外国籍選手は機動力を活かしたアウトサイド攻撃に専念できるのです。
役割が明確になれば、選手は自分の強みを最大限に発揮できます。これが帰化選手併用戦術の本質だと言えるでしょう。
アルバルク東京の帰化選手併用戦術

2026年1月12日の決勝、アルバルク東京はシーホース三河を72-64で破りました。
14大会ぶり3度目の優勝を果たしたのです。勝利の鍵を握ったのが、帰化選手と外国籍選手の併用戦術でした。
アルバルク東京には帰化選手のライアン・ロシター選手(208cm、日本国籍)がいます。2021年に宇都宮ブレックスから移籍しました。
外国籍選手には、セバスチャン・サイズ選手(205cm、106kg、スペイン)とマーカス・フォスター選手がいます。この3名がベスト5に選出されました。
ロシター選手は決勝でMVPを獲得しています。10得点21リバウンド3アシストという圧倒的な貢献度でした。
36分間プレーし、第4クォーター序盤にはブロックショットで三河の反撃を封じるビッグプレーを見せたのです。
MVP・ロシター選手のリバウンド支配力

ライアン・ロシター選手の最大の武器はリバウンド支配力です。
大会を通じて平均16.8リバウンドを記録しました。決勝では21リバウンドという驚異的な数字を残したのです。
元バスケ部顧問として15年間指導してきた経験から言えば、最も重視したのが「リバウンドを制する者が試合を制する」という鉄則です。208cmのロシター選手がいれば、リバウンド争いで圧倒的優位に立てます。
ゴール下でのボール支配率が高まれば、相手の攻撃回数を減らせます。自分たちの得点機会を増やせるのです。
シンプルですが、これが勝利への最短ルートとなります。帰化選手としての起用枠を最大限に活用した戦術だと言えるでしょう。
サイズ選手とフォスター選手の外国籍併用

外国籍選手のセバスチャン・サイズ選手は決勝で23得点を記録しました。
ゲームハイの得点で、特に第4クォーターでの活躍が光ります。205cmという高さを活かしたインサイド攻撃が武器です。
マーカス・フォスター選手は機動力を活かしたアウトサイド攻撃が得意です。ロシター選手がインサイドでリバウンドを制圧し、サイズ選手が得点を重ね、フォスター選手が外角からシュートを決める——この役割分担が機能したのです。
35年間、社会科を教えてきた立場から見ると、この構造は経済学の「比較優位」の理論に似ています。それぞれの選手が最も得意な役割に専念することで、チーム全体の効率が最大化されるわけです。
準決勝では三遠ネオフェニックスを80-75で破りました。三遠も河田チリジ選手(208cm、帰化選手)を保有していますが、アルバルク東京はインサイド・アウトサイドの役割分担をより明確にしていました。
インサイドでの粘り強さと、アウトサイドからの速攻——この組み合わせが勝利の要因となったのです。
琉球ゴールデンキングス|2連覇ならず準々決勝敗退
事前予想と異なった結果
なおじは大会前、琉球ゴールデンキングスの2連覇を予想していました。
理由は明確です。2025年3月の第100回大会でアルバルク東京を60-49で破り、沖縄県勢初の天皇杯優勝を果たしていたからです。アレックス・カーク選手(211cm、114kg)を軸にした帰化選手併用戦術が機能していました。
しかし、2026年1月8日の準々決勝、琉球はシーホース三河に85-92で敗れました。連覇の夢は準々決勝で潰えたのです。
なぜ琉球は敗退したのか
敗因は立ち上がりの油断にあったと言えるでしょう。
第1クォーターを16-27の11点ビハインドで終えました。このビハインドが最後まで響いたのです。
カーク選手は24得点でチーム最多の活躍を見せました。しかしインサイドプレーに依存しすぎた形となり、アウトサイドからの得点力が不足しました。
第3クォーターには若手選手の奮闘で猛追を見せます。しかし三河の勝負強さの前に屈したのです。
元バスケ部顧問として15年間指導してきた経験から言えば、トーナメント戦では「立ち上がりの5分」が勝敗を分けます。この時間帯に相手にリズムを渡してしまうと、取り返すのは極めて難しい——琉球の敗戦がそれを証明しました。
帰化選手だけでは勝てない構造
琉球の敗退が示したのは、「帰化選手の高さだけでは勝てない」という事実です。
カーク選手という211cmのビッグマンがいても、周囲の日本人選手が機能しなければ勝利は遠のきます。アルバルク東京のロシター選手を中心とした戦術が優勝したのは、帰化選手と外国籍選手、そして日本人選手の役割分担が明確だったからです。
琉球は来季に向けて、カーク選手を活かす周囲の選手層をさらに強化する必要があるでしょう。帰化選手を軸にした戦術は正しい——ただし、それを支えるチーム全体の戦術構築が不可欠だと言えます。
トーナメント戦が育てる選手の成長力
集中開催形式がもたらす采配の重要性
集中開催形式では、選手に与える影響が大きくなります。
レギュラーシーズンのように中1日空ける余裕はありません。体力配分、控え選手の起用、ファウルトラブルへの対応——こうした采配力が勝敗を分けます。
トーナメント戦には独特の成長機会があります。レギュラーシーズンのように「次がある」わけではありません。
「負けたら終わり」という緊張感の中で、選手は普段の練習では引き出せない力を発揮します。判断力、精神力、チームワーク——これらが一気に高まる瞬間を目撃できるかもしれません。
かつて県大会で、身長差10cmを戦術で覆した経験があります。相手チームには190cmを超えるセンターがいました。
しかし「リバウンドの位置取り」と「複数人でのボックスアウト」を徹底的に練習しました。結果、身長差を補って勝利を収めたのです——この経験が教えてくれたのは、「戦術と準備が身体能力差を覆す」という事実でした。
若手選手の台頭と大学チームの可能性
トーナメント戦では若手選手が一気に開花する可能性があります。
1月6日の1回戦では千葉ジェッツの渡邉伶音選手が24得点の活躍を見せました。環太平洋大学に快勝したのです。
渡邉選手は21歳のガードで、スピードとシュート力を兼ね備えています。外国籍制限がある天皇杯では、この「日本人ガードの司令塔力」が重要度を増します。
パス回しの速さ、ディフェンスのプレッシャー、ここぞでの得点力——これらが揃った選手がチームを勝利に導くのです。
大学チーム(日本体育大学、環太平洋大学など)のアップセットも期待されました。過去には大学チームが上位進出した例もあります。
ただし、B1の強豪チームが揃う今大会では、ベスト8進出でも快挙と言えるでしょう。しかしトーナメント戦は「何が起こるかわからない」のが醍醐味です。
元バスケ部顧問として中学生を指導した15年間で何度も見てきました。「試合経験がもたらす化学変化」です。
一発勝負の緊張感が選手の潜在能力を引き出します。大学チームがその力を発揮すれば、番狂わせも十分あり得ますね。
Q&Aで振り返る天皇杯バスケ2026
Q1:帰化選手と外国籍選手の違いは何ですか?
帰化選手は日本国籍を取得した選手です。外国籍選手は外国籍のままプレーする選手となります。天皇杯では、どちらもコート上1名までという制限があります。ただし、帰化選手1名と外国籍選手1名を同時に起用することが可能です。この併用戦術が戦術的優位性を生み出します。
Q2:なぜ帰化選手と外国籍選手の併用が戦術的に有利なのですか?
帰化選手がインサイドで高さを活かし、外国籍選手がアウトサイドでスピードを活かす——役割分担が明確になるからです。帰化選手を持たないチームは日本人選手のみで戦うため、インサイドでの高さに劣る場合があります。帰化選手を持つチームは、インサイド・アウトサイド両方で優位性を確保できるのです。
Q3:アレックス・カーク選手の戦術的価値はどこにありますか?
211cm、114kgという体格を活かしたゴール下での支配力です。リバウンドとブロックショットで守備を安定させ、高確率のシュートで得点を重ねます。チームのリズムを作る存在なのです。外国籍選手と併用することで、常にインサイドに高さを確保できる——この戦術的優位性が琉球の強さの源泉です。
Q4:トーナメント戦が選手を成長させる理由は何ですか?
「負けたら終わり」という極限状態が、選手の潜在能力を引き出すからです。レギュラーシーズンのように「次がある」わけではありません。一発勝負の緊張感の中で、判断力、精神力、チームワークが一気に高まります。元教師として35年間生徒を見てきましたが、この「化学変化」は何度も目撃しました。
Q5:集中開催形式が求める采配力とは何ですか?
1週間連続で戦うため、体力配分が最重要となります。レギュラーシーズンのように中1日空ける余裕はありません。控え選手の起用、ファウルトラブルへの対応、疲労を考慮したローテーション——これらを的確に判断する采配力が勝敗を分けるのです。帰化選手を持つチームは選手層が厚く、この課題をクリアしやすい構造にあります。
筆者紹介|なおじ
元社会科教師として35年間教壇に立ちました。バスケットボール部顧問として15年間指導してきました。
現在は8つのブログでドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学び・書評を執筆しています。
スポーツ記事では、バスケ部顧問としての指導経験を活かしています。「戦術の裏にある論理」や「選手の成長過程」を丁寧に解説するスタイルを心がけています。教育現場で培った「教える力」を記事執筆に活かしています。
コメント